ドイツ年間ゲーム大賞とは?
2021年5月、ドイツ年間ゲーム大賞 2021のノミネートが発表されました。
ここで、ドイツ年間ゲーム大賞についておさらいを致しましょう。
ドイツ年間ゲーム大賞とは、1979年にスタートした「ドイツで選定されるボードゲームの最も権威ある賞」です。
過去の受賞作品には、1995年の「カタン」、2001年の「カルカソンヌ」、2009年の「ドミニオン」などが挙げられます。
右の写真のマークは、ドイツ年間ゲーム大賞で選ばれた名誉ある証であるわけです。
ボードゲームを遊んだことのある皆様は、どこかで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
ちなみに、この3色にはそれぞれドイツ語で
赤:「Spiel des Jahres」(今年のゲーム)
黒(灰):「Kennerspiel des Jahres」(今年のエキスパートゲーム)
青:「Kinderspiel des Jahres」(今年の子供向けゲーム)
と書かれています。
どの部門を受賞しても、大変に素晴らしい名誉だと言えます。
なんとなく見ていた人は「青はその年の子供向け大賞」、「赤がその年の年間ゲーム大賞」程度の認識で覚えておけば良いでしょう。
2021年の発表は?
過去のラインナップを見ても、このドイツ年間ゲーム大賞にはとても大きな期待が出来ます。
今年は、実はこの記事を書いている6月14日(!)に青色の子供部門が行われるのです!
会場はハンブルク、今からその発表が楽しみで仕方がありません。
発表をリアルタイムで見たい方はSpiel des Jahresよりどうぞ!
現地時間で午前10時30分の発表ですが、日本時間では17時30分の予定です。
赤と黒(灰)の大賞発表は7月19日(月)にベルリンにて発表が予定されています。
17時30分の発表に備えて、ノミネート作品のおさらい
ここからは、まず「青の子供部門」でノミネート中の3作品をおさらいしていきましょう。
赤・黒(灰)のノミネートに関しては下までスクロールしてご覧ください!
青①ドラゴミノ
ゲームデザイン:B.カタラ&M.フォー&W.フォー
イラスト:M.ダ・シルヴァ&C.ドゥシャンプ
出版社:ペガサス
プレイ人数:2~4人
対象年齢:5歳以上
プレイ時間:15分
キングドミノのキッズverとして見て良いです。
キングドミノは、できるだけ高得点となるようにタイルを並べ、自分の国を作っていくゲームです。
タイルをめくって、既に出来ている王国の地形を広げ、点数の高いところを確保していく…
このルールは、カルカソンヌをプレイした人ならばとっつきやすいはずです。
青②ストーリーテイラー
ゲームデザイン:M.フォー&W.フォー
イラスト:E.スモレンセバ&I.ペチェンキナ
出版社:ライフスタイル
プレイ人数:2~6人
対象年齢:5歳以上
プレイ時間:20~30分
ストーリーテラー(あるいはストーリーテイラー)とは、「お話の上手い人」という意味があります。
このゲームでは、ストーリーの上で誰がどのような役割を果たすのか、それを決めてクリアを目指していくこととなります。
TRPG(テーブルトークRPG):机の上で会話をメインとして進めていくゲーム
の導入として、子供の発想力や機転を育てることの出来るゲームでしょう。
青③名探偵ミア・ロンドン
ゲームデザイン:A.ボザ&C.ルブラ
イラスト:ニカオ
出版社:スコーピオンマスク
プレイ人数:2~4人
対象年齢:6歳以上
プレイ時間:10分
外箱にも描かれているような、「モンタージュ写真」を使うゲームです。
それぞれのパーツ(頭、目、口、胸元)がめくられていくにつれ、「もともと存在していなかったもの」は何かが分かってくるはずです。
子供にとっては、間違い探しのように熱中が出来て、観察力や洞察力が磨かれることは確実でしょう!
黒①アルナックの失われし遺跡
ゲームデザイン:ミン&エルウェン
イラスト:J.クス&O.フルディナ&J.ポリツァー&F.セドラツェク&M.バブロン
出版社:チェコゲームズ出版+ハイデルベアゲームズ
プレイ人数:1~4人用
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:約人数×30分
島にある遺跡を探検するゲームです。
このゲームのメインは「デッキ構築」と「ワーカープレイスメント」と「リソース管理」です。
ボードゲーム(カードゲーム)に馴染みのない方には、聞き覚えのない単語かと思いますが、
「ワーカープレイスメント」とは、自分の手元にある従業員(部下)を、どこにどのように配置し、どのような仕事をさせるべきか?を考えていくシステムのことを指します。
実際の企業運営のように、人材や財源・資源(リソース)は限りあるものです。
適材適所、うまく配置をしなければ破綻を迎えることになるでしょう。
時には、自分の手札から何を切るか判断しなければならないことも…?
黒②ファンタジー・レルムズ
ゲームデザイン:B.グラスコ
イラスト:オクトグラフィックス
出版社:ストローマンゲームズ
プレイ人数:2~7人用
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:20分
幻想世界の支配者を目指すゲームです。
様々な世界の中で、より強い、より大きい領域を作ることを目標とします。
初期手札である7枚を、山札や捨札から1枚ずつ入れ替えていき、ゲーム終了時の「手札のコンボ」によって点数を決めて行きます。
勝者は最も点数の高い人、シンプルですが、運も戦略も程よく絡んでくるボードゲーム入門にもってこいのゲームと言えます。
黒③パレオ(PALEO)
ゲームデザイン:P.ルステンマイアー
イラスト:D.マイヤー
出版社:ハンスイムグリュック
プレイ人数:1~4人用
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:45~60分
考古学者が監修した、文明体験の協力ゲームです。
多くのコンポーネントと、良く練られたゲームバランスが秀逸なゲームです。
ゲームの流れは単純で、山札から3枚をめくりその中から自分の行動を1枚選ぶだけです。
カードは裏面のまま選ばなければなりませんが、「山岳」では岩の資源が、「森林」では木の資源が取れやすいでしょう。
しかし、探索には危険がつきものです。
思いがけず獣に出会うことも、類まれなる幸運に巡り合うこともあります。
全員で協力して、一団を維持し、文明の発展を目指していきましょう。
ルールも簡単で、用意されている難易度だけでも7つのレベルを遊べ、何度も繰り返さなければクリア出来ない難易度です。
全員で話し合いながら苦難を乗り越えていく、達成した時の喜びはなんとも言えないものがあります!
「遊びのいろり」のイチオシゲームです!!
赤①ロビンフッドの冒険
ゲームデザイン:M.メンツェル
イラスト:M.メンツェル
出版社:コスモス
プレイ人数:2~4人用
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約60分
ストーリーブックが用意された探索ゲームです。
大まかなストーリーが用意されており、そのストーリーに沿って各プレイヤーの判断や気付きがゲームの結果を左右していくこととなります。
初心者よりも、中級者・上級者向けのゲームです。
残念ながら日本語版の発売は予定されていないので、日本の方でこのゲームをプレイした人は限られるかも知れません。
赤②ミクロマクロ:クライムシティ
ゲームデザイン:U.ローゼンベルク&C.ファンモーセル
イラスト:L.ジークモン
出版社:シュピールヴィーゼ出版+ペガサス
プレイ人数:1~4人用
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:15~45分
ボードゲーム版の「ウォーリーをさがせ」です。
犯罪の絶えないクライムシティが舞台となります。
外箱の背景に描かれている白黒の風景、これが今回の舞台となります。
とても精緻に描かれていますが…よく見てみると、おや?
至るところで犯罪、犯罪、そして犯罪が起きているではありませんか。
一つの事件を解決するためには、現場から得られる情報を元に、その人の1日の行動を洗い出していかなければなりません。
地図上に描かれた人間をよく見てみると、「見た目が同じ人間」が何人か居ることに気付くでしょう。
その人の進む方向を辿ってみると、その人の生活の軌跡をたどることが出来ます。
そう、この地図には全ての人間の生活の流れが描かれているのです!
あなたは全ての犯罪を解決することが出来るでしょうか?
気付き、ひらめき、地道な調査が求められる良ゲーです!
本タイトルはなんと「サンプル体験版」をWeb上で遊ぶことが出来ます。
赤③ゾンビティーンズ:進化の鼓動
ゲームデザイン:A.ロベ
イラスト:ニカオ
出版社:スコーピオンマスク
プレイ人数:2~4人用
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:20分
最近アプリ業界で流行りの「ゾンビから街を守るゲーム」のボードゲーム版です。
自分の籠城する拠点に、四方八方からゾンビが攻め込んできます。
協力して、リソースを回収しながらゾンビを撃退しましょう!
爽快感のあるゾンビ撃退ゲームを協力してワイワイ遊びたい人におすすめの作品です!
コメント