【ゲームの基本構造】協力ゲームとは

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システムの概要

プレイヤー同士が共通の勝利条件に向かってアクションを調整するシステムです。
プレイヤー全員が「一緒に」勝つか、負けるかになります。

解説

チーム戦、1対多、RPG、裏切り者が潜むゲームなど、プレイヤー間で「協力」が求められるゲームは「協力ゲーム」のカテゴリだと言えます。
最近では、ソロゲームでもNPCを追加することで「協力」を満たすゲームも出てきています。

しかし、この項目では「プレイヤー全員が片方の側に属し、チームとして勝つか負けるか」というルールのことを指すこととします。
※それ以外の上記ルールは別の項目で扱います。
このルールを導入しているゲームで特に有名なのは「パンデミック」でしょう。

このルールを採用する最大のメリットは、「ゲームへの参入障壁を低くする」ことだと言えます。

多くのボードゲームでは、初心者が経験者との対戦で勝つことは難しく、そもそも勝ち筋や定石を知らなければ勝てないものもあります。
初心者と経験者の溝を埋めるために、ハンデやアドバイスを行う場合もありますが、「敵対」という関係は変わりません。
このような背景は初心者にとって「ボードゲームを遊ぶハードルが高い」ことに繋がりがちです。

協力ゲームはこのような「不均衡」のバランスを「一蓮托生の協力者」とすることで、「敵対から仲間へと変換」してくれるのです。
仲間に対してゲームをプレイすることで、「ルールを説明すること」と「勝つための戦略を教えること」の両方を同時に満たすことも可能です。
初心者にとっては、「ゲームの入り口」にもなり、「ゲームを続ける原動力」にもなるルールだと言えます。

ただし、このルールで気をつけなければならないのは、
・各プレイヤーがアクションやリソースの決定権を持っている(※パートナーシップ)
※パートナーシップ=協力関係
・アクションやリソースの使用は全員の同意が必要となる(※コラボレーション)
コラボレーション=共同作業
のどちらを採用するのか、という点です。

コラボレーションを採用した場合、「奉行問題」が起こる場合があります。
分かりやすく説明すると、発言力の強いプレイヤーが議論や意思決定、チームの方向性を支配してしまい、発言力の弱いプレイヤーがないがしろにされてしまう現象のことです。
(みんなで鍋をつつくときの「鍋奉行(なべぶぎょう)」のようなものです。)
もちろんこの問題は「参加するプレイヤーの質による」ところが大きいのですが、ゲームの設計によって「奉行問題が起こりやすくなる」ことは頭の片隅に置いておく必要があります。

この問題に対して、「ザ・マインド」のように一切のコミュニケーションを禁止することで奉行問題がそもそも起こらないように設計されたゲームもあります。

実際に採用されているゲーム

・「ザ・マインド」
・「花火」
・「パンデミック」
・「オルレアン」
・「オー・マイ・グーッズ!」
・「T.I.M.E ストーリーズ」
・「パレオ(PALEO)
他…

コメント

  1. […] このルールの特徴は、「一人だけでプレイできる」ことに尽きます。また、「協力ゲーム」の項目でも取り上げたような「奉行問題」が発生する余地もありません。ほとんどの協力ゲームは一人のみでもプレイできるのですが、「ザ・マインド」のように一人では遊べないゲームもあります。 […]

  2. […] このシステムでは、プレイヤー全員がゲームに勝利したあとに、チーム内での「MVP」や「個人勝利者」を獲得します。協力ゲームとの大きな違いは、同じチームとして目的を一緒にしながらも、チーム内で頭一つ飛び出ようと常に味方の動向を意識している部分です。協力と裏切りの要素が含まれているシステムと言えます。 […]

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